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りゅうおうのおしごと! 20|感想・書評レビュー

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りゅうおうのおしごと! 20|感想・書評レビュー

電子書籍で充実した活字ライフを送っていますか。
活字の海に身を委ねる悦びに入り浸れる読書大好きhearTofuです。

本記事ではアマゾンの電子書籍で実際に読んだ、『りゅうおうのおしごと! 20』について、あらすじ・感想・おすすめポイントをまとめました。
これから読もうか迷っている方や、新しい本との出会いをお探しの方のは、ぜひ参考にしてみてください。

本のあらすじ

九頭竜八一は、最強の挑戦者・生石充を相手に竜王位の防衛戦に臨みます。一方で、愛弟子・雛鶴あいは史上初の「女性プロ棋士」を目指し、前代未聞のプロ編入試験に挑むことになります。
試験官として立ちはだかるのは、1年の休場を経て復帰した「浪速の白雪姫」こと空銀子。師匠、弟子、そして恋人。絡み合う感情をすべて盤上にぶつけ、彼女たちは「将棋の神様」に問いかけます。
人間が将棋を指す意味とは何なのか。その答えが、この20巻に刻まれています。

書評・感想レビュー

10年間の伏線が回収される圧倒的カタルシス

まず特筆すべきは、著者・白鳥士郎先生が10年以上前から構想していたというラストシーンへの道のりです。本作はライトノベルという枠組みでありながら、その中身は濃密な人間ドラマ。特に今巻では、これまで積み上げてきた八一と銀子の関係、そしてあいの成長が、これ以上ない形で結実します。
特に驚かされたのは、タイトルの秘密です。「りゅうおうのおしごと!」という、一見するとハーレムもののようなタイトル。これが、作中のシャルロットたちの案から生まれ、八一と銀子の名前を冠した「万里一空」の意味を内包し、さらに「未熟な師匠の成長譚」を象徴する言葉へと昇華されるプロセスには、震えるような感動を覚えました。

生石充 vs 九頭竜八一:振り飛車の「魂」

竜王戦における生石九段との死闘は、現代将棋が抱える「AI対人間」というテーマを象徴しています。コンピュータが導き出す「正解」ではなく、人間がリスクを背負い、魂を揺らして指す「振り飛車」の美学。
生石が放った「俺の魂が揺れたとき、それが振り飛車になる!!」という叫びは、効率化と最適解ばかりを求める現代社会への痛烈なアンチテーゼでもあります。八一がその「魂」を真っ向から受け止め、ボロボロになりながらも「将棋が死ぬほど楽しい」と再確認する場面は、本作屈指の熱量と言えるでしょう。

雛鶴あい vs 空銀子:最も残酷で、最も美しい試験

物語のもう一つの軸であるプロ編入試験。あいが戦う相手は、かつて最も身近で見守ってくれた空銀子でした。あいは銀子の復帰を願うためにプロを志し、銀子はそのあいの覚悟を「プロの壁」として粉砕しようとします。
この対局で描かれたのは、単なる勝敗ではありません。あいが、自らの中にあった「完璧な勝ち方」への執着を捨て、「自分を組み替える」ことで本物の勇気を掴む過程です。銀子の背中を追い続け、ついには同じ「プロ」という土俵に立つ。そこに至るまでの心理描写は、あまりにも過酷で、だからこそ美しい。

清滝桂香という「現実」の救い

個人的に最も胸を打たれたのは、清滝桂香のサブプロットです。彼女は棋士として限界を感じながら、もう一つの道、すなわち「小説家」としての成功を掴みます。
彼女が書いた小説がヒットし、銀行口座の残高を見て泣き崩れるシーン。これは、才能の世界で生き残れなかった者の「敗者の物語」ではなく、形を変えて情熱を燃やし続ける者の「再生の物語」です。名人が彼女の小説を読み、「仲間なんです」と頭を下げるエピソードには、将棋という世界が持つ広さと深さを感じずにはいられませんでした。

「本物の将棋」へのリスペクト

本作がこれほどまでに支持されるのは、監修を務めた糸谷哲郎八段(第27期竜王)をはじめとするプロ棋士たちの協力があったからこそでしょう。盤上の駒の動き一つひとつに意味があり、対局者の吐息まで聞こえてくるような臨場感。ライトノベルでありながら、これほどまでに「棋譜」が雄弁に物語を語る作品を、他に知りません。

こんな方におすすめ

「本物の熱さ」を求めている人:
スポーツ漫画や勝負事が好きな人なら、間違いなく魂が震えます。

夢に向かって挫折を味わったことがある人:
桂香や銀子、そして八一。才能の限界に抗う彼らの姿は、今のあなたに勇気を与えてくれるはずです。

将棋を全く知らない人:
専門用語は多いですが、この物語の本質は「人間ドラマ」です。読み終える頃には、駒を握ってみたくなるでしょう。

1巻から追いかけてきたファン:
言うまでもありません。これは、私たちへの最高のご褒美です。

まとめ

『りゅうおうのおしごと!20』は、単なるシリーズの区切りではなく、10年という歳月をかけて「現実」と戦い抜いた著者と棋士たちの勝利の記録です。
八一が、銀子が、そしてあいが選んだ道。それは決して楽なものではなく、今後も「地獄」のようなリーグ戦や、終わりのない研究が待ち受けているのかもしれません。しかし、彼らの表情に悲壮感はありません。なぜなら、彼らには「将棋」があり、そして隣には競い合える「仲間」がいるからです。
「心が折れなければ負けじゃない」。
その言葉の真意を、ぜひあなた自身の目で確かめてください。

書籍概要

タイトルりゅうおうのおしごと! 20
著者名白鳥士郎 (著), しらび (イラスト)
出版社SBクリエイティブ(GA文庫)
言語日本語
本の長さ(ページ数)約600ページ(文庫本)
発売日2025年7月21日
紙媒体価格990円(税込)
書籍購入先アマゾンキンドルで読む

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About The Author

heartofu
ITと漫画をこよなく愛する、散財オタクブロガーです。
テーマとして掲げている「一度きりの人生を楽しもう」という言葉は、政治思想家ニッコロ・マキャヴェッリの「やらずに後悔するより、行動して後悔する方が懸命である」という格言に深く感銘を受けて選んだものです。もちろん、行動した結果として後悔することも多々あります。しかし、それは自分の選択の結果であり、納得できます。一方で「あの時、もしも…」という後悔は、なかなか割り切れないものです。時には「やらなければよかった」と思うこともありますが、行動を通じて得られる経験や成長は、人生の大きな財産だと感じています。もちろん、命に関わることや、他人を傷つけたり迷惑をかけるようなことは論外です。
年齢を重ねるごとにできなくなることも増え、「明日」が必ずしも来るとは限らないのが人生です。だからこそ、今できることにはできるだけ挑戦し、後悔の少ない人生を送りたいと考えています。そんな日々のライフログを、人生が終わるまで、あるいはボケるまで続けていきたいと思っています。このような思いで書いているため、読者のニーズをあえて気にせず、忘却録として綴っている面もありますが、ご理解いただければ幸いです。また、買った商品のレビューというよりもエッセイ的な感じで買った商品を紹介しています。もし気が向いたときにご覧いただき、少しでも共感していただけましたら、ぜひSNSなどでシェアしていただけると嬉しいです。
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