
2025年11月21日にアマゾンで「Kindle Scribe Notebook Design – 10.2インチディスプレイ、32GBストレージ、ノート機能搭載、プレミアムペン付き、タングステン (2024年発売)」をブラックフライデーセールで23%引きの¥45,980円で購入しました。
これまでのKindleは「読む」ためのデバイスでした。しかし、この新しいKindle Scribeは、その定義を「読み、そして考える」デバイスへと書き換えようとしています。
特に今回レビューする「ノートブックデザイン(ホワイトベゼル)」は、単なる色違いではありません。これは、デジタルデバイスを「文房具」へと昇華させるための重要なデザイン言語の変更です。
製品概要:白枠がもたらす「紙」への回帰
「Kindle Scribe Notebook Design」の最大の特徴は、画面周囲のベゼルが白くなったことです。
ディスプレイ: 10.2インチ Paperwhiteディスプレイ(300ppi)
デザイン: ホワイトベゼル(画面との境界を感じさせないデザイン)
ペン: プレミアムペン付属(消しゴム機能・ショートカットボタン付き)
新機能: Active Canvas(本のテキスト内に直接書き込み可能)
従来の黒いベゼルは「画面(ディスプレイ)」を強調していましたが、白いベゼルは「余白」を感じさせます。これにより、電源を入れた瞬間から、まるで一冊の大学ノートを開いているかのような錯覚に陥ります。
この製品を選ぶ理由
なぜiPadやAndroidタブレットではなく、この端末を選ぶのか? 答えは「ノイズの遮断」と「思考の整理」に特化しているからです。
通知も来ない、動画も見られない。できるのは「読むこと」と「書くこと」だけ。現代人にとって最も贅沢な「集中できる環境」を、カバンに入れて持ち運べる点こそが、この製品を選ぶ最大の理由です。特に、白いベゼルによる「紙のノート感」は、クリエイティブな思考モードへの切り替えスイッチとして機能します。
メリット(ここが最高)
① 圧倒的な「紙」の質感と没入感
白いベゼルのおかげで、E-Inkの画面と枠の境界が曖昧になり、一枚の紙がそこにあるような感覚を得られます。視覚的な「ガジェット感」が薄れ、思考を邪魔しません。書き心地も前モデルより改良されており、ペン先が画面を走る際の「カツカツ音」が抑えられ、適度な摩擦(抵抗感)があります。
② 「Active Canvas」による読書体験の革新
新機能「Active Canvas」により、Kindle本のテキスト部分に直接手書きでメモを書き込めるようになりました。書き始めるとテキストが自動的にリフロー(再配置)され、メモ用のスペースが生まれます。 これまでは「付箋機能」を開く必要がありましたが、思考を止めることなく、本の著者に反論したり、アイデアを書き留めたりできます。
③ AIによるノート整理機能
書き散らしたメモを、内蔵AIが要約してくれます。「会議の議事録」や「ブレインストーミングのメモ」を箇条書きにまとめ直してくれる機能は、ビジネスパーソンにとって強力な武器になります。
デメリット(ここは注意)
① 価格の高さと「できること」のギャップ
iPadのエントリーモデルが買える価格帯でありながら、できることは「読み書き」に限定されます。動画編集もゲームもできません。「多機能=正義」と考えるユーザーにとっては、コストパフォーマンスが悪く感じるでしょう。
② ペン先の消耗とランニングコスト
紙のような書き心地を実現するために摩擦を高めている分、ペン先の摩耗は従来のスタイラスペンより早めです。ヘビーユーザーであれば、替え芯のストックは必須となります。
③ ページめくりの残像(リフレッシュ)
E Ink特有の仕様ですが、高速でページをめくったり、スクロールしたりする際の「画面の書き換え(白黒反転)」は依然として存在します。液晶タブレットの滑らかさに慣れている人は、最初の数時間は違和感を覚えるかもしれません。
結論:誰のためのデバイスか?
「Kindle Scribe Notebook Design」は、効率よりも「深さ」を求める人のための道具です。もしあなたが、情報のインプットだけでなく、そこから生まれる自分の思考を逃さずキャッチしたいと考えているなら、この白いベゼルのKindleは最高のアウトプットツールになるでしょう。
「ガジェット」ではなく「愛用のノート」として迎え入れたい、そんな一品です。
個人的には、この白いベゼルの汚れが気になるところでしたが、今のところ特殊コーティングのおかげか指紋や手垢は目立ちません。ただ、ペンのグリップ部分は経年変化がありそうなので、そこもまた「味」として楽しめる人向けですね。
画像レビュー





付属品にUSBケーブルはもちろんのこと、ペンの替芯も付属しています。
ペン先を交換する場合は付属のピンセットみたいなものを使った方がよいらしいので、付属品は無くさないように注意が必要です。

電源を入れた画面。
元の本がカラーの場合は淡くて薄いトーンで見づらいかもしれませんが、小説や白黒の漫画であれば、くっきりとした描写でとても見やすい。その上Kindle Oasisから乗り換えですが、画面が大きくて老眼でも安心してコミックが楽しめます。これに慣れると、ジャンプコミックスの紙の単行本サイズだと小さくて読めなくなるという弊害がありますけど(笑)

背面は他のKindleと違ってプラスチックではなく、高級感かつ頑丈なアルミ製。
難点は冬は冷たくて手が凍える。


本体重量は435g。
両手で持って読むタイプです。
スタンドを買って、置いた状態で読むのもありかもしれません。

紙とは言いませんが、長時間読んでも目が疲れにくいのが電子ペーパーの良いところ。
ページ送りが遅いだとか若干残像が残るとか、そんな欠点よりも目に優しい、それだけで選んだ甲斐があるというもの。



愛用のM4 iPad Pro 11インチとの比較

M4 iPad Pro 11インチは486g。
Kindle Scribeはそれよりも50g軽いですが、それでも長時間読むならスタンドが欲しくなる重さではあります。



本体の厚みはほぼ同等です。

当たり前ですが、iPadはカラーが鮮やかで美しいし、反応もスムーズ。使っていてストレスはありませんが、目が疲れてしまうので、短時間なら良いですが、数時間単位で集中して読書する分には液晶パネルは辛いです。

愛用のKindle Oasisとの比較

私が長年愛用してきたKindle Oasis 10世代モデル。
ページ送りが物理的ボタンでできるのと、片手で持ち続けても疲れないのがお気に入りでした。
ただ老眼が進んできているのもあり小さい文字、特に漫画では厳しくなってきました。
普段仕事でiPad 11インチを使っているので、余計に画面の小ささを感じていました。
そしてOasisの11世代を待ち続けていましたが、2019年から既に6年目を迎えた今、ハード的にも厳しくなってきたことから、Kindle Scribeを買うに至りました。

大きさは一目瞭然で、漫画も言わずもがな迫力あるのは当然として、小説等のテキスト系では、一画面に表示される情報量・文字数が多いのでページ送りの頻度が少なくなるのも利点です。

部屋に置くスペースがない、紙が黄ばんだりする劣化、チャタテムシがたまに発生する、大量の本を持ち歩けどこででも読むことができる、早期終活に向けて断捨離活動中ということもあり、電子書籍に絶賛移行中なので、値段ははるものの、45,980という価格なら大量の読書ライフを楽しむのに決して高い買い物ではなかったかと思います。






