疲れをためない人の習慣15選|ストレスに強い社会人がやっているリフレッシュ術を徹底解説

疲れをためない人の習慣15選|ストレスに強い社会人がやっているリフレッシュ術を徹底解説

同じ仕事量、同じ通勤時間なのに、なぜか周りより疲れが顔に出ない人がいる。会議中も表情が冴えていて、金曜の夕方になっても「今日もあと少し頑張れる」というオーラをまとっている同僚に、心当たりはないだろうか。
実はそうした人たちは、特別な体力の持ち主というわけではない。多くの場合、疲れをためないための小さな習慣を、意識的あるいは無意識に積み重ねているだけなのだ。

キリンホールディングスが2025年10月から11月にかけて実施した「現代人の疲労に関する調査(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000165482.html)」によると、30代から50代の社会人のうち実に90.3%が、身体的な疲労とは別に「疲労感」というものを感じていると回答している。しかも半数を超える58.4%が、その疲労感を10点満点中7点以上という強いレベルで自己評価している。年代別に見ると、強い疲労感(7点以上)を感じる人の割合は30代で39.3%だったのに対し、40代では52.1%、50代では60.8%まで跳ね上がる。つまり、疲れは年齢とともに確実に重くなっていく現実があるということだ。

さらに興味深いのは、この疲労感を誘発している最大の要因が、必ずしも身体を動かしすぎたことではなく「社内の人間関係」(31.1%)だったという点である。次いで「睡眠不足」(26.3%)、「上司との関係」(22.9%)、「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)が続く。つまり現代の疲れは、筋肉の疲労よりも脳や心にかかる負荷から生まれているケースが多いということが、このデータからも読み取れる。

そうした「疲れをためない人」がどんな習慣を実践しているのかを、医師や研究者の見解、そして最新の調査データを交えながら具体的に紹介していく。朝起きた瞬間から夜眠るまでの一日の流れに沿って解説するので、自分の生活のどこに手を加えればいいかがイメージしやすいはずだ。

疲れの正体は「脳」にある

そもそも疲れとはどこから来るのか。東京疲労・睡眠クリニック院長で医学博士の梶本修身氏によれば、身体を動かしたときの肉体的な疲れと、頭を使ったときの精神的な疲れは、根本的には同じものだという。どちらも脳にある自律神経中枢の疲れが正体だというのだ。

自律神経とは、呼吸や消化吸収、血液循環、体温調節、心拍などあらゆる生命活動をコントロールする司令塔で、交感神経と副交感神経という2種類の神経からなる。交感神経は身体を活発にする働きを担い、緊張や興奮の場面で優位になる。反対に副交感神経は身体を休ませる働きを持ち、リラックスした状態のときに前面に出てくる。仕事のプレッシャーや気温差、人間関係のストレスなどはすべて自律神経に負担をかけるため、これが積み重なると機能が低下し、脳が「これ以上は無理をさせない」という防御反応として疲労感を発するようになる。

厄介なのは、この自律神経も年齢とともに老化していくという事実だ。研究によれば、自律神経の機能は60代になると10代の頃と比べて25%以下まで落ち込んでしまう。一度低下した機能を完全に元に戻すことは難しいが、機能低下のスピードを緩やかにすることは十分可能だという。そのカギを握るのが、副交感神経が優位になる時間をどれだけ日常に組み込めるかという生活習慣の設計なのである。

朝の習慣:一日の疲れやすさは起床直後で決まる

疲れをためない人の多くは、朝の過ごし方に一貫したルールを持っている。まず基本になるのが、毎日同じ時間に起きて朝日を浴びるという習慣だ。起床後に光を浴びることで体内時計がリセットされ、自律神経のリズムが整いやすくなる。休日だからといって昼近くまで寝てしまうと、この体内時計が乱れ、月曜日の朝に強い倦怠感を引き起こす原因になりかねない。

もう一つ見落とされがちなのが、朝食をきちんと摂ることだ。「朝は食欲がないから」とコーヒーだけで済ませる人も少なくないが、朝食を抜くこと自体が疲労の一因になるとも言われている。1日2食や朝食抜きの生活は血糖値の乱れを招きやすく、日中のエネルギー切れや集中力の低下を招く。朝・昼・晩の3食を規則的に摂り、野菜を先に食べる「ベジファースト」を意識することで血糖値の急上昇を抑え、疲れにくい体のベースをつくることができる。

睡眠に関するデータにも目を向けておきたい。BRAIN SLEEPが実施した2025年の調査(出典:https://brain-sleep.com/pages/research2025)では、有職者1万人の平均睡眠時間は6時間50分となり、過去5年間で最も長かった2024年と同水準だったと報告されている。一方でレスメドが13の国と地域を対象に行った世界睡眠調査2025では、日本人の平均睡眠時間は6.56時間で3年連続最下位という結果も出ている。データの取り方に差はあるものの、日本の社会人にとって睡眠時間の確保が依然として大きな課題であることは間違いない。疲れをためない人は、この限られた睡眠時間の「質」を上げる工夫を怠らない。

日中の習慣:姿勢を変える、水分を摂る、先回りでカフェインを摂る

デスクワークが中心の社会人にとって、意外と見落とされがちなのが「姿勢」の問題だ。理学療法士などの臨床現場では、「悪い姿勢だから疲れる」のではなく「同じ姿勢を長時間続けること自体が身体への負担になる」という考え方が近年広まっている。長時間同じ姿勢を保つよりも、姿勢を適度に変化させること自体が重要である。また座り続けるのではなくこまめに身体を動かすことが身体的負担の軽減につながる。

具体的には、1時間に1回は立ち上がる、胸を開いて深呼吸をする、肩甲骨を大きく動かす、トイレや給水のついでに少し歩く、といった「活動休憩(アクティブブレイク)」を挟むだけで、肩や首のこわばりを大きく軽減できる。長時間座り続けると胸郭の動きが制限されて呼吸が浅くなり、脳や筋肉への酸素供給が不十分になることで疲れやすさや集中力の低下を招くとされているため、こうした小さな動きの積み重ねが疲労予防に直結する。

水分補給も忘れてはならないポイントだ。脱水は疲労感や頭痛、集中力低下を招く要因になるため、1日1.5〜2リットルを目安に、常温の水をこまめに口にする習慣が推奨されている。喉の渇きを感じてから飲むのではなく、時間を決めて先回りで飲むほうが効果的だ。

カフェインの摂り方にも工夫の余地がある。世界的ベストセラー『とっぱらう』の著者であるジェイク・ナップとジョン・ゼラツキーは、カフェインを疲れを感じてから摂るのでは遅いと指摘している。すでに脳内でアデノシンという物質が疲労を感知する受容体に結合してしまった後では、カフェインを飲んでも倦怠感を振り払いにくいというのだ。そこで彼らが勧めるのは、自分がエネルギー切れを起こしやすい時間帯(多くの人は昼食後)をあらかじめ把握し、その30分前にコーヒーなどを飲んでおくという先回り戦略である。疲れに気合いや根性で対抗するのではなく、自分のリズムを味方につけるという発想は、多くの社会人にとって取り入れやすいはずだ。

昼食後の眠気に対しては、パワーナップ(積極的仮眠)という手段も心強い。
パワーナップはコーネル大学の社会心理学者ジェームス・マースの研究をきっかけに広まった概念で、正午から午後3時ごろに15分から20分程度取る短時間の睡眠を指す。帝京平成大学の研究(鵜木、2018年)では、短時間の仮眠の前後でストレス指標を測定した結果、仮眠後に有意な低下が確認された。また2024年に発表された広島大学大学院によるレビューでも、15〜20分程度のパワーナップが眠気の低減やパフォーマンスの向上に効果をもたらすことが報告されている。短い仮眠であれば深い睡眠段階に入りにくいため、起床後のだるさ(睡眠慣性)や夜間睡眠への悪影響が出にくいという利点もある。GoogleやAppleといった企業が仮眠専用スペースを設けているのは、こうした研究結果を踏まえた合理的な判断といえるだろう。デスクで仮眠スペースがない場合でも、椅子の背もたれに寄り掛かった姿勢でアイマスクやイヤホンを活用するだけでも一定の効果が期待できる。

メンタル面の習慣:人間関係のストレスをどう手放すか

前述のキリンの調査で明らかになったとおり、社会人の疲労感の最大要因は「社内の人間関係」だ。だからこそ、疲れをためない人は心の負担を軽くする思考の癖を持っている。

一つ目は、人の短所より長所に目を向けるという習慣だ。心理学でいう「返報性の原理」、つまり人から何かをしてもらうとお返しをしたくなる心理を利用すると、相手の長所に注目することで自然と好意的な態度が言動に表れ、それが相手にも伝わって関係が良好になりやすいとされる。反対に短所ばかりに目がいくと、雰囲気や態度から「嫌い」という感情が相手に伝わってしまい、関係悪化という悪循環を招きやすい。頑固な人を「信念が強い」、気分屋を「感情が豊か」、口下手を「聴き上手」と言い換えるだけでも、心の中の印象は変わってくる。

二つ目は、完璧を目指さないという姿勢だ。何事もきっちりやろうとする完璧主義者は、自分にも他人にも要求水準が厳しくなりがちで、否定や批判を招きやすい傾向があると心理カウンセラーは指摘している。「できないものはできないと割り切る」考え方を精神科医の和田秀樹氏は「合格点主義」と呼び、自分にも他人にも寛容になれる、物事を早く進められる、失敗しても落ち込みにくい、頑張りすぎを防げるといった利点を挙げている。まずは期限内に仕上げることを優先し、そのうえで少しずつ完成度を高めていくというやり方は、完璧さにこだわって心をすり減らすよりも、結果的に良い成果につながりやすい。

三つ目は、他人と比較しないことだ。同期の昇進や友人の成功と自分を比べて落ち込んでいると、いつまでも心が休まらない。劣等感とは「こうありたいという理想」と「現実の自分」とのギャップから生まれる感情だという心理学の考え方に立てば、劣等感が芽生えたときは「自分にはこんな理想があったんだ」と捉え直すことができる。他人との比較ではなく、自分の中の理想に気づくきっかけとして受け止めれば、落ち込むのではなく成長のヒントに変えることができる。

産業医としても活動する精神科医の井上智介氏は、精神疲労を解消するには脳を休ませる視点が欠かせないと述べている。真面目で完璧主義、几帳面な性格の人ほど周囲の期待に応えようとして自分の疲労を顧みない傾向があるため、意識的に仕事量を制限し、睡眠時間を確保する生活習慣の見直しが必要になるという。また、就寝2時間前にはパソコンやスマートフォンの電源を切るかマナーモードにすることも勧めている。電子機器の使用は脳を興奮させてしまい、質の良い睡眠を妨げる要因になるためだ。

夜の習慣:眠りの質を上げる小さな工夫

一日の疲れをリセットするための最重要ポイントは、やはり睡眠だ。睡眠の一番の役割は自律神経の疲れを癒し、前日までの疲労を解消することにある。良質な睡眠を得るためには、寝る1〜2時間前に38〜40度程度のぬるめの湯で、心臓の高さまでの半身浴を5〜10分ほど行うのが効果的とされている。額から汗が出るほどの熱いお風呂は、逆に自律神経への負担になるので避けたほうがいい。

香りや音を活用するのも一つの手だ。小川のせせらぎや波の音といった自然の「ゆらぎ」を持つ音には、副交感神経を優位にする働きがあるとされる。アロマオイルには自律神経を休め、睡眠の質を高める効果が期待できるものもあり、枕元にアロマオイルを垂らしたタオルを置くだけでも簡単に取り入れられる。

食事の面では、鶏むね肉に含まれるイミダゾールジペプチドという成分に注目が集まっている。この成分は抗酸化作用を持ち、脳の疲労回復を早め、眠りの質の向上をサポートするとされ、消耗しやすい脳や筋肉にピンポイントで届く特徴があると報告されている。忙しい社会人でも、コンビニのサラダチキンなどで手軽に取り入れられる点は実践のしやすさにつながるだろう。

また、栄養面ではビタミンB1やB2(豚肉、魚、豆類)がエネルギー代謝を支え、鉄分やカルシウム(レバー、小魚、緑黄色野菜)が酸素供給や神経の安定に役立つとされている。青魚に含まれるオメガ3脂肪酸も脳や免疫の健康維持に有用だという見解がある。忙しいからとコンビニ食や外食が続くと、これらの栄養素が不足しやすくなるため、意識して食材を選ぶことが疲れをためないための地味だが重要な一手になる。

休日のリフレッシュ習慣:何もしない時間の価値

疲れをためない人は、休日の過ごし方にも一つの共通点がある。それは「何もしない時間」を意図的に作っていることだ。森林浴や温泉、ストレッチ、趣味の時間などのリラックス活動は心身の回復に有効とされているが、それ以上に、ぼーっとするだけの時間が心身の回復を支えるという指摘もある。常に予定を詰め込んで「充実した休日」を演出しようとするより、あえて予定を入れない時間帯を作ることが、脳を休ませる意味では合理的な選択だといえる。

また、美術館での芸術鑑賞や、海や山などの大自然に身を委ねる体験も、精神疲労の解消に効果があるとされている。壮大なものに触れることで、自分が抱えている悩みや過酷な環境が相対的に小さく感じられ、精神的なリラックスにつながるという考え方だ。休日に美術館へ足を運ぶ、あるいは近場の山や海に出かけるといった行動は、単なる気分転換以上の意味を持っている可能性がある。

近年注目されているのがデジタルデトックスだ。ペンシルベニア大学の研究者による調査では、SNSの利用時間を3週間にわたって1日10分に制限したグループにおいて、孤独感や憂鬱さが大きく改善したと報告されている。また別の研究では、スマートフォンでのインターネット利用を止めると、わずか2週間で気分や精神的健康状態、持続的な注意力に改善が見られたという結果も示されている。休日だけでもスマートフォンを意図的に手放す時間を作ることは、脳の疲労回復に一定の効果が期待できる習慣といえるだろう。ただし、デジタルデトックスの最中には一時的に倦怠感や退屈さ、利用したいという渇望が強まるという報告もあるため、最初から長時間・完全遮断を目指すのではなく、まずは1時間や半日といった短い時間から試すのが続けやすい方法だ。

それでも疲れが取れないときは、体からのサインを見逃さない

ここまで紹介してきた習慣を試しても改善が見られない場合、単なる生活習慣の問題ではなく、体の中に潜在的な要因が隠れている可能性もある。内科医の見解では、貧血や甲状腺機能低下症、慢性疲労症候群などが疲れやすさの背景に潜んでいることがあるという。以下のような状態が1カ月以上続く場合は、早めに医療機関へ相談することが勧められている。

・1カ月以上にわたって慢性的な疲労が続いている状態 ・家事や仕事に日常的に支障が出ている状態 ・息切れやめまい、原因不明の体重変動など他の症状を伴う状態

疲れやすさは、体が発しているメッセージだと捉えることができる。睡眠、食事、運動、ストレスケアという4つの側面から生活を見直しても改善が感じられない場合は、無理をせず専門家に相談することが、結果的に将来の不調を防ぐ最短の道筋になる。

まとめ:疲れをためない人は「先回り」と「小さなリセット」の達人

ここまで紹介してきた習慣を振り返ると、疲れをためない人に共通しているのは、疲れを感じてから対処するのではなく、疲れが溜まる前に先回りして手を打っているという点だ。朝日を浴びて体内時計を整える、こまめに姿勢をリセットする、疲れる30分前にカフェインを摂る、昼にパワーナップを取る、就寝前にデジタル機器から離れる。どれも特別な道具や時間を必要としない、日常の中にすぐ組み込める工夫ばかりである。

また、メンタル面では完璧を目指さない、他人と比較しない、人の長所に目を向けるといった思考の癖が、心理的な負荷を軽くしていることも見えてきた。キリンの調査が示すとおり、現代人の疲労感の多くは身体的な消耗だけでなく、ストレスや緊張といった心理的負荷と深く結びついている。だからこそ、体の休め方だけでなく、心の休め方にも目を向けることが、疲れをためない生活への近道になる。

すべての習慣を一度に完璧に実践する必要はない。まずは自分の生活の中で取り入れやすそうなものを一つだけ選び、1週間試してみてほしい。小さな変化の積み重ねが、半年後、1年後の疲れやすさに確実に差を生み出していくはずだ。

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