Gensparkが2026年9月18日、個人向け有料プラン「Plus」「Pro」の標準特典を更新しました。
目玉は、毎週リセットされるクレジット不要の利用枠「Free Quota(フリークォータ)」の提供開始です。一方で同じ発表のなかに、新規契約ではAIチャットとAI画像生成の「無制限」特典が対象外になる、という一文も含まれています。
「新しい無料枠がもらえるのに、無制限がなくなる?」と混乱した方もいるはずです。
公式発表(PR TIMES)とGensparkヘルプセンターの記載をもとに、何がどう変わったのかを契約状況別に整理します。
今回の発表を3行でつかむ
Plus・Proの会員特典に、毎週リセットされる無料利用枠「Free Quota」が加わりました。対象の作業ではクレジットが減りません。そして新規契約分については、これまで打ち出されていたAIチャット・AI画像生成の「無制限」特典が対象外になります。ただしコアモデルはクレジット消費なしで使えます。すでに契約している有料会員は、無制限を含む現行特典を2026年12月31日まで継続でき、そのうえでFree Quotaも受け取れます。
料金そのもの、そしてクレジットの付与量や体系に変更はありません。公式リリースにも「無料利用枠の追加以外の特典内容、および料金・クレジット体系に変更はありません」と明記されています。
Free Quotaとは何か
Free Quotaは、月間クレジットとは別枠で用意された「週次の無料利用枠」です。イメージとしては、月々のクレジットという財布とは別に、毎週補充される小銭入れをもう一つ持つような仕組みになります。日常業務はこの小銭入れで回し、月間クレジットは重い処理のために温存できる、という設計です。
対象になる機能
公式発表によると、スーパーエージェント、AIスライド、AIシート、AIドキュメント、ディープリサーチなどのStandard Mode(スタンダードモード)、およびAIチャット・AI画像のコアモデルが対象です。英語版ヘルプセンターでは、これに加えてFact Check(ファクトチェック)やSecondBrainも対象エージェントとして挙げられています。対象範囲は今後さらに広げていく、とも記載があります。
一方で、より高度なUltraモードは対象外です。メディア系のエージェントについては、企画・プランニングの部分は枠でカバーされるものの、生成される動画や音声そのものはクレジットを消費します。
リセットのタイミングは人それぞれ
ここは誤解しやすいところです。毎週月曜に全員一斉、という方式ではありません。ヘルプセンターの説明では、最初のメッセージを送った時点から7日間のウィンドウが始まり、7日後にリセットされます。つまり自分の使い始めが起点になります。
使い切ったら止まるのか
止まりません。枠を消費し切った時点で自動的にクレジット利用へ切り替わり、実行中のタスクはそのまま走り続けます。待ち時間も発生しません。とはいえ「知らないうちにクレジットが減るのは困る」という人のために、使用量ページ(genspark.ai/credit-usage)でAsk Firstをオンにしておけば、クレジットを使う前に確認を挟めます。
枠が効いているかの見分け方
対象タスクを実行すると、入力欄の上に青いバーが表示され、「Using free quota at no credit cost」と表示されます。残量はプロフィールメニュー、または使用量ページから確認できます。
なお、App StoreやGoogle Play経由で課金しているモバイル会員も同じFree Quotaが付き、Web版と共有されます。ただしアプリには青いバーが出ないため、残量確認は使用量ページで行う形になります。
PlusとProで枠の大きさが違う
英語版ヘルプセンターの記載では、Proの週次枠はPlusの10倍規模と説明されています。AIチャットについても、Proのほうが上限が高いとされています。具体的なクレジット数の数値は公開されていないため、実際の残量は自分の使用量ページで確認するのが確実です。
無制限はどうなるのか
今回いちばん反応が大きかったのは、おそらくこちらでしょう。
公式リリースの該当部分はこうです。「新会員特典の追加に伴い、新規契約ではAIチャット・AI画像生成の『無制限』特典は対象外となります(コアモデルは引き続きクレジットを消費せずご利用いただけます。フラッグシップモデルはクレジットを消費します)」。
つまり、これから契約する人の扱いは次のように変わります。
コアモデル(ヘルプセンターの例ではClaude Sonnetなど)は、モデル選択画面で「No credit cost」タグが付き、クレジット消費なしで使えます。ただし上限があり、到達後は月間クレジットで継続する形です。AI画像も同様で、GPT Imageの標準品質などが「No credit cost」に該当します。
フラッグシップモデル(同じく例としてClaude Opusなど)は「Credits」タグが付き、クレジットを消費します。GPT Imageの高品質オプションや大サイズ出力も、個別にクレジット扱いと明示されています。ヘルプセンターには、クレジット課金モデルは全会員が利用でき、初回選択時に一度確認が入る、という記載もあります。
要するに「常用モデルは実質タダ、最上位モデルは従量」という、多くのAIサービスで見慣れた構造に寄せた、と読むのが素直でしょう。
既存会員の経過措置
すでにPlus・Proを契約している人については、クレジット・利用可能モデル・無制限のAIチャット/AI画像生成といった現行特典が2026年12月31日までそのまま維持されます。加えてFree Quotaも9月18日から上乗せされます。公式リリースには「自動更新を継続されている場合の特典です。解約された場合は失効します」という注記が付いています。
「継続中」の判定基準も、ヘルプセンターに整理されています。契約が失効していなければ継続扱いで、PlusからProへのアップグレード、月額と年額の切り替え、クレジットTierの変更は影響しません。逆に、契約が切れたり、いったん解約して後から入り直したりした場合は、その時点の特典が適用されます。年払いで駆け込み契約すれば2027年以降も無制限が続く、という話ではない点に注意してください。
そして2027年1月1日以降は、既存・新規を問わず、その時点で有効なプラン規約に従う形になります。ヘルプセンターの表現では、コアモデルは特典に含まれ、上限到達後は月間クレジットで継続、フラッグシップモデルはクレジット消費、という新方式に統一される見込みです。
法人プランは対象外
Free Quotaは個人向けのPlus・Proが対象で、法人向けのTeam・Enterpriseは対象外と明記されています。
そもそも「無制限」には条件があった
ここは補足しておく価値があります。
Genspark公式の料金解説ブログには、AIチャット・画像生成の無制限について「クレジットは消費されませんが、5時間あたりの利用量に上限があります」と書かれていました。英語版ヘルプセンターのFAQにも同趣旨の説明があり、極端に重い使い方をすると、固定の5時間ウィンドウにおけるモデル利用量をもとに一時的な制限がかかると記載されています。この制限は5時間が経過すれば完全に解除され、クレジットを買い足しても解除はできず、上位プランほど上限は高い、とのことです。
RedditのGenspark関連コミュニティやX(旧Twitter)には、「無制限と聞いて契約したのに制限された」という趣旨の投稿も見られます。今回の特典改定は、実態として存在していた上限を、規約上も明示的な形に整理し直した側面がある、と捉えることもできそうです。
料金プランの現状(2026年9月時点)
公式の料金解説ページに掲載されている個人向けプランは次のとおりです。金額はドル建てが基準で、円は同ページの1ドル=約155円換算による目安です。日本円払いを選ぶとStripeの為替レートが適用され、消費税10%が加算されます。
| プラン | 月間契約 | 年間契約(月割) | 月間クレジット | AIドライブ |
|---|---|---|---|---|
| Free | 無料 | — | 毎日100クレジット | 制限あり |
| Plus | $24.99〜$199.99 | $19.99〜$159.99 | 10,000〜95,000(6段階) | 50GB |
| Pro | $249.99〜$3,999.99 | $199.99〜$3,199.99 | 125,000〜2,000,000(7段階) | 1TB |
年間契約は月間契約より約20%割安です。Tier(ティア)は契約後もいつでも変更でき、上位Tierほど1クレジットあたりの単価が下がります。「今月だけ足りない」という場合には、$20で7,500クレジット(有効期限3か月)のクレジットパックも用意されています。チーム利用向けのTeamプランは1ユーザーあたり月約$30、12,000クレジット/月、ストレージ60GBという構成です。
なお、ヘルプセンターには「このページに記載された会員特典は2027年6月30日まで有効」との記述があり、生成コンテンツの商用利用権も同日まで保証されると書かれています。
直近のアップデートと合わせて見ると
今回の変更は単発ではなく、コスト構造を見直す一連の流れのなかにあります。公式リリースが挙げているのは次のような動きです。
2026年8月にAIスライドを大幅更新し、スタンダードモードの生成コストを従来の約5分の1(1ページあたり10〜50クレジット)に引き下げました。ビルトインエディタでの手直しは無料です。9月には自社初の内製モデル「Gen-1 Slides」を発表し、AIスライドのスタンダードモードの既定モデルに採用しています。公式説明によれば、Claude Opus 5と同等のスライド品質を約17分の1のコストで実現するモデルとのことです。7月にはスーパーエージェントが刷新され、専用サンドボックス上でタスクを完遂する非同期型の実行基盤になりました。AIドキュメントもWord/WebDoc/Markdownの3形式から選べるようになっています。
生成コストを下げ、浮いた分を「クレジットを消費しない枠」として会員に還元する。そのかわり、青天井の無制限は畳む。今回の発表は、そうしたバランス調整として読めます。
立場別・どう動くのが妥当か
すでに契約している人は、当面は様子見で問題ありません。2026年12月31日までは現行特典が維持され、Free Quotaが上乗せされるので、純粋に取り分が増えます。気をつけたいのは、うっかり解約して契約を切らさないこと。切れた瞬間に経過措置を失います。
これから契約を検討している人は、「無制限」を前提に判断しないほうがよいでしょう。判断材料は、月間クレジット量、Free Quotaでどこまで日常業務がまかなえるか、そしてフラッグシップモデルをどれだけ使うか、の3点になります。まずは無料プラン(毎日100クレジット、カード登録不要)で対象機能の感触を確かめ、Plusの最小Tierから始めて足りなければTierを上げる、という順序が無難です。
年間契約を検討中の人は、返金条件も確認しておきましょう。ヘルプセンターによれば、EU・英国・トルコの利用者は購入から14日以内、韓国は7日以内、それ以外の地域は月額が購入後24時間以内、年額が72時間以内という規定です。日本の利用者は原則この「それ以外」に該当します。
よくある疑問
Free Quotaは無料プランでも使えますか。
使えません。Plus・Proの会員特典です。無料プランには毎日100クレジットの付与があり、これはFree Quotaとは別の仕組みです。
クレジットの残量とFree Quotaの残量はどこで見られますか。
プロフィールメニュー、または使用量ページ(genspark.ai/credit-usage)です。使用ログの反映には数時間かかる場合があると記載されています。
Free Quotaがあるのにクレジットが減ったのはなぜですか。
ヘルプセンターのFAQでは、そのタスクがまだ対象範囲に入っていないケースが挙げられています。Ultraモードで実行した、あるいは動画・音声を生成した、といった場合です。対象タスクでは青いバーが表示されるので、そこで判別できます。
PlusからProへ上げると経過措置は消えますか。
消えません。アップグレード、月額と年額の切り替え、クレジットTierの変更はいずれも「継続」扱いとされています。
まとめ
今回の更新は、「毎週補充される無料枠が増える」という加点と、「新規契約では無制限がなくなる」という減点が同時に発表された形です。既存会員にとっては2026年末まで加点だけが効き、2027年1月1日から全員が新方式に揃います。
Gensparkは告知から適用までが速いサービスでもあります。契約前・更新前には、公式の料金ページとヘルプセンターで最新の条件を確認しておくことをおすすめします。

