「もしも」の再会に心揺れる——『レジスタ!』第22話が描く、大人の諦念と微かな希望

「もしも」の再会に心揺れる——『レジスタ!』第22話が描く、大人の諦念と微かな希望

日常のふとした瞬間に、過去の「あの日」を思い出して胸が締め付けられる。
そんな経験を持つすべての大人の背中を、優しく、しかし鋭く突いてくる一編です。
今回は、藤丸氏による漫画『レジスタ!』の第22話「巡り逢うなら往きますか?」をレビューします。

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あらすじ:重なる「過去」と、予期せぬ「再会」

物語の主人公・花田は、脚本家(あるいはその志望者)として、どこか停滞した日々を過ごしています。彼がベランダで煙草をくゆらせながら思いを馳せるのは、スーパー「ラディシア」でレジ打ちをしていた志津輪さんとの、うまくいかなかった関係でした。

友人たちとの飲み会で、自身の冷めた恋愛観や「脚本家崩れ」のような現状を茶化されながらも、花田の心には「ボタンを掛け違えたまま」の過去が澱のように溜まっています。

そんな彼が、ふと思い立って夜の街へ歩き出します。
「もし今、奇跡的に彼女と巡り逢えたら、自分は違う行動をとれるだろうか」
そんな、あり得ないはずの仮定を胸に辿り着いた、閉店後のスーパー。そこで彼を待っていたのは、以前一度だけ言葉を交わしたことのある、制服姿の少女との偶然の再会でした。

感想レビュー:日常の機微を掬い取る、圧倒的なリアリティ

「ボタンの掛け違え」という言葉の重み

本作の白眉は、人間関係の挫折を「ボタンの掛け違え」と表現し、それを単なる後悔ではなく、日常に溶け込んだ「消えない違和感」として描いている点にあります。花田が独白する「俺にはわかっている。これは罠だ」という言葉からは、希望を持つことへの恐怖と、それでも捨てきれない未練が交錯する、大人の複雑な心理が痛いほど伝わってきます。

静謐な筆致が際立たせる「夜」の空気感

藤丸氏の描く背景やキャラクターの表情は、過度な装飾を削ぎ落としたからこそ、その場の空気感を色濃く反映しています。特に、閉店(本日の営業を終了)した「LADISIA(ラディシア)」の前に佇む花田の背中からは、彼が抱える孤独と、深夜特有のセンチメンタリズムが静かに漂ってきます。

衝撃のラストシーンが示唆するもの

物語の終盤、深夜のスーパーの前で「こんばんは!」と明るく声をかけてくる少女。彼女の登場は、停滞していた花田の物語に、予期せぬ「風」を吹き込みます。
かつて、志津輪さんと「巡り逢ったなら、往く」ことができなかった花田が、今この新しい出会いに対してどう向き合うのか。
ここから新しいページがめくられるような、期待感に満ちた幕切れとなっています。

まとめ

『レジスタ!』第22話は、単なる恋愛漫画の枠を超え、「やり直しのきかない過去」と「不意に訪れる未来」の間で揺れる人間の業を描き出しています。
派手なアクションや劇的な展開はありません。しかし、読み終わった後に自分の過去の「掛け違えたボタン」をそっとなでたくなるような、深い余韻を残す名エピソードです。

本の書籍概要

タイトルレジスタ! 第22話「巡り逢うなら往きますか?」
著者名藤丸
掲載誌ゲッサン 2026年9月号
最新刊情報第3巻が11月20日頃に発売予定
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