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「2336万円が365万円に激減」年金制度改革で遺族年金の大幅カット:何が起きているのか?

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話題
「2336万円が365万円に激減」年金制度改革で遺族年金の大幅カット:何が起きているのか?

概要

  • 年金改革法案の概要:2025年5月に政府が提出した年金制度改革法案により、遺族厚生年金の給付期間が原則5年に短縮され、給付水準が大幅に削減。
  • 影響範囲:特に子のない配偶者に影響が大きく、従来終身支給だった女性の遺族年金が有期化。男性も新たに5年間の給付対象に。
  • 金額の変化:月収45万円の夫が55歳で亡した場合、従来の総額2336万円が改正後365万円に激減(試算)。
  • 目的:男女差の解消と年金制度の持続可能性確保。
  • 世間の反応:賛否両論。公平性向上を評価する声と、保障切り捨てへの批判が共存。
  • 今後の対策:民間保険の活用や生活設計の見直しが必要。

遺族年金改革の背景と内容

2025年5月16日、厚生労働省は「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」を第217回通常国会に提出した。この法案は、働き方や家族構成の多様化、男女平等の観点から年金制度を見直すもので、特に遺族厚生年金の大幅な変更が注目されている。以下に、改革の主要なポイントを詳しく解説する。

1. 遺族年金の現状

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類がある。遺族基礎年金は、国民年金加入者が亡くなった際、子のある配偶者または子に支給される。受給期間は子が18歳(障害がある場合は20歳)になる年度末までで、金額は令和5年度で約80万円(子1人の場合、加算あり)。一方、遺族厚生年金は厚生年金加入者が亡くなった場合に支給され、子がいない配偶者も対象となる。現行制度では、女性は30歳以上で終身支給、男性は55歳以上で60歳から支給という男女差が存在する。

2. 改革の主な変更点

  • 支給期間の有期化:子のない配偶者に対する遺族厚生年金の支給期間が、男女ともに原則5年に統一される。従来、女性は30歳以上で終身支給だったが、2028年度から段階的に有期化。男性は55歳未満で支給対象外だったが、改正後は20代~50代で5年間の給付を受けられる。
  • 給付額の増額:5年間の有期給付では、従来の「報酬比例部分の4分の3」より増額する「有期給付加算(仮称)」が導入される予定。
  • 死亡時分割(仮称):亡配偶者の厚生年金加入期間を分割し、遺族の老齢厚生年金の加入期間に加算。これにより65歳以降の年金が増額される。
  • 中高齢寡婦加算の廃止:40歳以上65歳未満の子のない妻に支給されていた加算が、女性の就業率上昇や男女平等の観点から段階的に廃止。

3. 金額の試算と影響

マネーポストWEBの試算によると、月収45万円の夫が55歳で亡した場合、妻が87歳(女性の平均寿命)まで受給する現行制度では総額約2336万円だった遺族厚生年金が、改正後は5年間で約365万円に激減。これは約1971万円の削減に相当する。この試算は、夫の厚生年金(報酬比例部分)が年約98万円、遺族年金が年約73万円として計算されたものだ。この大幅カットが「民間保険ならありえない改悪」と批判されている。

4. 改革の目的

厚生労働省は、改革の目的を「男女差の解消」と「年金制度の持続可能性確保」と説明する。従来の制度は、男性が働き女性が家庭を守ることを前提とした設計だったが、共働き世帯の増加や女性の就業率上昇(2023年時点で女性の就業率は53.2%)を背景に、男女平等な制度への移行が求められた。また、2024年の財政検証で基礎年金の給付水準が2057年までに3割低下する見通しが示され、財源を基礎年金に振り向ける必要性も背景にある。

世の中の肯定的な意見

  • 男女平等の進展:従来の制度は男性に厳しく、55歳未満の子のない男性配偶者は遺族年金を受け取れなかった。改正により、男性も5年間の給付象となり、男女差が解消される点は「公平性向上」と評価されている(厚生労働省資料参照)。
  • 生活再建の支援強化:有期給付加算により、配偶者死亡直後の5年間の給付額が増額。これにより、生活再建期の経済的支援が手厚くなるとの意見がある
  • 老齢年金の増額:死亡時分割制度により、遺族の65歳以降の老齢厚生年金が増額。長期的な生活安定に寄与するとの声も
  • 財政健全化:基礎年金の低下を防ぐため、厚生年金の財源を再分配する改革は、年金制度全体の持続可能性を高めると評価されている

世の中の否定的な意見

  • 保障の大幅削減:X上の投稿では、「2336万円が365万円に減るのは詐欺」「民間保険ならありえない」との批判が殺到。特に、子育てを終えた18歳以上の子を持つ配偶者が「子なし」扱いとなり、5年で支給が打ち切られる点に不満が集中
  • 信頼の喪失:高い厚生年金保険料を支払ってきたサラリーマンが、保障削減に直面。「年金はセーフティネットのはず」との声が強い
  • 報道不足:改正内容が十分に周知されておらず、「なぜ報道されないのか」との不信感も()。
  • 生活設計の混乱:終身支給を前提に生活設計していた世帯にとって、5年への短縮は大きな打撃。「離婚を考える」といった過激な意見も見られる

この先の展開の推論

  • 段階的実施と混乱:2028年度からの段階的導入により、すぐには影響を受けない世帯も多いが、50代以下の現役世代は今後の生活設計見直しが急務。情報不足による混乱が予想される。
  • 民間保険の需要増加:遺族年金の有期化に伴い、終身保険や定期保険の需要が拡大する可能性。保険会社は「遺族年金を補完する商品」を積極的にPRするだろう
  • 政治的議論の再燃:自民・公明・立憲民主党が法案に合意したが、世論の反発が強まれば、選挙を前に修正議論が再燃する可能性も。
  • 少子化への影響:X上で「子育て家庭への負担増」との声があり、少子化対策と矛盾するとの批判が強まる可能性()。

メリットとデメリットと注意点

メリット

  • 男女平等の実現:男性も遺族年金を受け取れるようになり、制度の公平性が向上。
  • 短期的な支援強化:有期給付加算により、配偶者死亡直後の経済的支援が増額。
  • 老齢年金の底上げ:死亡時分割により、65歳以降の年金が増額し、長期的な生活安定に寄与。
  • 財政の持続可能性:基礎年金の低下を防ぐ財源確保が期待される。

デメリット

  • 保障の大幅削減:終身支給から5年への短縮は、長期的な生活保障を弱体化。
  • 生活設計の変更:特に専業主婦世帯や子育て終了世帯にとって、経済的計画の見直しが必要。
  • 情報不足:改正内容の周知不足により、受給者の準備不足が懸念される。

注意点

  • 受給資格の確認:遺族年金は「生計維持関係」が条件。別居でも仕送りや扶養関係があれば受給可能
  • 民間保険の検討:遺族年金の不足を補うため、終身保険や定期保険の加入を検討。必要保障額を試算し、適切な保険を選ぶ
  • 最新情報の確認:改正は2028年度から段階的実施。詳細は日本年金機構や厚生労働省の公式サイトで確認を
  • 税務上の留意:遺族年金は非課税だが、民間保険の死亡保険金は相続税対象の場合も。専門家への相談を推奨

まとめ

政府の年金制度改革法案による遺族年金の大幅見直しは、男女平等と財政健全化を目指す一方で、給付水準の大幅削減が議論を呼んでいる。子のない配偶者への支給期間が原則5年に短縮され、試算では総額2336万円が365万円に激減するケースも。賛成派は公平性向上や生活再建支援の強化を評価するが、反対派は「保障の切り捨て」「信頼の喪失」と批判。現役世代は民間保険の活用や生活設計の見直しが求められる。今後、情報周知と世論の動向が改正の行方を左右するだろう。受給者は最新情報を確認し、早めの対策を講じることが重要だ。

2025年5月30日時点での最新情報

年金改革法案について、わかりやすく解説

  • 「あんこが入っていないあんパン」と例えられたほど、中身がないと批判された年金改革法案が、3つの政党(自民・公明・立憲民主)で成立に合意した。
  • 2024年に年金の見直しをしたところ、今の制度のままだと「基礎年金」(一番下の部分)はこれからますます減っていき、2057年には今より3割も減るとわかった。
  • 特に非正規で働く人が多い「氷河期世代」が大きな影響を受ける。
  • 国(厚労省)は、会社員の年金(厚生年金)の一部を減らして、その分を基礎年金の底上げに使う案を出したが、与党内で反対が多く、基礎年金を底上げする部分は取り下げた。

遺族年金の大幅カットが大問題

  • 今までは、夫が亡くなった場合、30歳以上の妻(子どもがいない場合)は生涯ずっと遺族年金(夫の厚生年金の4分の3)がもらえた。
  • 今回の法案では、その支給期間が5年に大幅短縮される。
  • 5年しかもらえなくなる年齢の範囲は、2028年から40歳未満→順次50歳未満→60歳未満まで広がり、最終的には60歳未満の妻は5年しかもらえなくなる。

実際の金額はどれくらい減る?

  • 例:月収45万円の夫が55歳で亡くなった場合
      →今の制度:87歳までに2,336万円もらえる
      →改正後:5年間で365万円しかもらえなくなる
      →約2,000万円近く減る
  • これは、ずっと高い保険料を払ってきたのに、突然「死亡保障を2,300万円から365万円に減らす」と言われるようなもの。
  • 民間の生命保険ならあり得ない変更。

年金制度改正の「3つの大きな改悪ポイント」(簡単に)

  1. 加給年金の縮小・廃止(加算分が減る)
  2. 遺族年金の大幅カット(今回説明した内容)
  3. 中堅サラリーマンの保険料が年11万円も増える

一言ポイント

  • 今回の年金改革は「支給が減る・保険料は増える」内容が多く、主婦や家族にとってとても大きな影響があります。
  • 特に「夫に万が一」があった場合の家計保障(遺族年金)が大幅に減るので注意が必要です。

参考記事のサイトURL

※本内容は2025年5月30日時点でのYahooニュースの記事を参考に、怒りに震えながら書いています。正しい情報、判断はご自身でお確かめください。

About The Author

heartofu
ITと漫画をこよなく愛する、散財オタクブロガーです。
テーマとして掲げている「一度きりの人生を楽しもう」という言葉は、政治思想家ニッコロ・マキャヴェッリの「やらずに後悔するより、行動して後悔する方が懸命である」という格言に深く感銘を受けて選んだものです。もちろん、行動した結果として後悔することも多々あります。しかし、それは自分の選択の結果であり、納得できます。一方で「あの時、もしも…」という後悔は、なかなか割り切れないものです。時には「やらなければよかった」と思うこともありますが、行動を通じて得られる経験や成長は、人生の大きな財産だと感じています。もちろん、命に関わることや、他人を傷つけたり迷惑をかけるようなことは論外です。
年齢を重ねるごとにできなくなることも増え、「明日」が必ずしも来るとは限らないのが人生です。だからこそ、今できることにはできるだけ挑戦し、後悔の少ない人生を送りたいと考えています。そんな日々のライフログを、人生が終わるまで、あるいはボケるまで続けていきたいと思っています。このような思いで書いているため、読者のニーズをあえて気にせず、忘却録として綴っている面もありますが、ご理解いただければ幸いです。もし気が向いたときにご覧いただき、少しでも共感していただけましたら、ぜひSNSなどでシェアしていただけると嬉しいです。
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